真武湯がベストマッチ。ということは今の私、小陰病?まずいなぁ・・・。詩音です。
今日(でもすでに昨日)は島根県松江市に、デニス・ブリアコフのリサイタルを聴きに行ってきました。
幸い天候は曇りが続き、道中はなかなか快適でした。
会場は松江市市民活動センター5階の交流ホールという事で、これは結構そこら辺にある多目的ホールで、音響はそんなに良くないところなのではないかと予想していたところ、見事的中。
客席は電動で壁に収納出来るタイプで200席程度とこぢんまりした感じの、ホールと言うより大きい部屋。
左右の壁にはパンチの穴もあり、音響的にはかなりデッドな環境のようです。
これは、普段自分たちが楽器を吹いているのとほとんど変わらない環境で一流のプロの音が聴けるというなかなかない機会のようです。楽しみ。
前から3~4列目くらいの席に陣取り、今回は近くで聴いてやろうと開演を待っておりました。
実際、ブリアコフとの距離は7~8mくらい?信じられないくらい近かったです。
開演前に司会の方がお話をされましたが、
「さっきから楽屋で音を出していらっしゃいますが、すごいです。
とにかく・・・
すごいです!」
と、かなり興奮していらっしゃる様子。
気持ちは分かりますが(笑)
一曲目はバッハのシャコンヌでした。
これは去年も広島のセシリアホールで聴きました。
音響的にデッドな環境で、しかも至近距離で聴くからか、期待通り生々しい演奏を聴けます。
間近で見るとその指の動きは本当に信じられないくらいです。よくこんなに動くものだと改めて驚嘆させられました。
言うまでもありませんが、さらに驚きなのは指の動きが信じられないくらい速いのに全ての音がちゃんと鳴っていることと、音がきちんと連結していること。
プロとしては当たり前のことなのでしょうが、本当に凄いです。
全体的にすごく印象に残っているのが、その音の響き。
全ての曲で演奏を始められる前にピアノと音合わせをされるのですが、その時ちょっと控えめな感じで出していらっしゃるその音さえ、しっかりと芯のある音で、伸びやかにホール中に響き渡っていたことです。
こういうのを聴くと、私はまだまだ楽器を鳴らし切れていないなと思ってしまいます。
デッドな環境なのに、なぜあんなに音が響くんでしょうか?
アンコールでショパンの幻想即興曲を演奏されましたが、もはやその超絶技巧は言葉では表せません。
曲はご存じの方が多いでしょう。あれをフルートで演奏されるわけですよ。
ピアノでも難易度は高いでしょうに。
なのに、フルートで軽々と演奏されてしまう。
ピアノは詳しくないので推測ですが、右手がやっていることはほぼ全部フルートでやられたのではないかと。つまりメロディー部分は全部です。あの、装飾的な音も含めて全部です。指が尋常じゃない動きをしてらっしゃいました。
テクニックばかり凄かったと言いたいような感想になりつつありますが、もちろん音楽的にも素晴らしい演奏でした。
曲想に合わせて音色やニュアンスが変幻自在。
今回は、くどいようですが音響的にデッドな環境で至近距離で聴かせていただきました。そのおかげで微妙な変化もわかりやすく、体をどのように使って演奏されているのかなども比較的よく観察できました。
大変貴重な体験をさせていただきました。
しっかりサインもいただきました。
ご丁寧に、サイン希望者全員に一人一人名前を尋ねてサインと一緒に『for ○○』と宛名を書いてくださっているようでしたので、自分の順番の時にiPadに自分の名前の綴りを手書きして「My name is ○○」と示したところ、
「Oh! High-tech!」
といって笑ってくださいました。
また機会があったら演奏を聴きたいですね。
今度はやっぱり音響の良いホールで、その響きを堪能させていただきたいものです。
興奮気味の司会者さんのブリヤコ風、みたいな噛み方が妙に印象的でした。
あんな狭くて音響の悪いホールでフルートの音を聴くのは、サックス吹きには耳が痛かったです・・・アンコール一曲目のバッハとてもよかったです。前回のようにもっと広いところで聴きたかった~。もったいなかったなあ、ちょっと残念。