毎度の警告ですが、この記事もフルート吹き以外の方が読まれても全く面白くないだけでなく、理解不能の可能性さえあります。
しかし、本当に最近このブログ、一フルート吹きの個人ブログと化してきている気がします。申し訳ない。
さて、今回は表題の通りフルートの音の起ち上がりについて興味深い情報を仕入れたので、自分の覚え書きも兼ねて書き込んでおきます。
興味深い情報というのは、とあるプロ奏者のブログを読んでいるときに発見したものです。以下にその要約を書きます。
『プラチナコーティングの楽器は表面が堅いプラチナなので、金属原子が剥がれたりしない。だから、通常フルートのパッドに見られる黒いリング(銀や金の金属原子が剥がれてパッドに付着した汚れ)は全く付かない。』
確かに、言われてみればそうです。私の楽器もパッドにリング状の汚れは付いていません。そうか、あの汚れは皮脂やその他のゴミなどによる汚れではなく、金属による汚れだったのね。
『さらに、プラチナコーティングの表面は金や銀に比べてミクロのレベルで滑らかなので、パッドがぴったり密着する。銀や金はどんなに丁寧に磨いても表面はプラチナコーティング処理ほど滑らかにならず、また前述のように微量だが剥離したりして滑らかさが損なわれるため、プラチナコーティングに比べるとパッドの密閉性は低い。
ぴったり密着しすぎて、ちょっとした皮脂などの汚れでもパッドがトーンホールに付くときにちゃにちゃと音を立てたり、くっついてキーが戻ってこなくなることもあるほど。』
これも経験があります。この前の調整の時に、この現象が気になるので分解清掃してもらったのですから(2010年1月16日の記事に書いています)。キーパイプに問題があるのかと思っていたら、パッドとトーンホールが原因だったのですね。こまめにクリーニングペーパーで汚れを取らないとっ(汗)
『そのくらいパッドとトーンホールがぴったり閉じるので、音の起ち上がりがはっきりする。』
そうか。そういうことだったのか。
実は今の楽器に変えてからアタックがはっきりすると感じていました。
音の起ち上がりが良いというと、ソルダードトーンホールの楽器もそうです。ソルダードトーンホールの楽器を数本試奏した事がありますが、そのとき確かにそれは感じました。しかし同時に、このくらいなら自分のプラチナコーティングの楽器とそんなに驚くほどは違わないなとも感じたのです。
ソルダードトーンホールの楽器の音の起ち上がりがいいのは、何かで『トーンホールを半田付けすることで、ドゥローンのトーンホールより厚いトーンホールが形成できる。そのためトーンホールの強度が増し、またトーンホールのアンダーをカットしたりなどの成形処理の自由度が上がるため、音の起ち上がりが良くなったり音色のコントロールをしやすい楽器を作ることができる』と読んだ記憶があるのですが、どうやら違うようです。
『ソルダードトーンホールの楽器も、トーンホールのパッドと接する面を、ドゥローンのトーンホールよりも正確にパッドに密着するように成形しやすいので、音の起ち上がりがはっきりする。』
というのが真相だったようです。両者とも同じ理由で音の起ち上がりが良くなっているのですね。
私がソルダードトーンホールの楽器を試奏して、その特徴の一つとされるアタックも、確かに反応が良いけど、これくらいなら自分の楽器でも達成していると感じたのは間違いではなかったようです。自分の奏法が間違っているからソルダードトーンホールの特徴を活かせていないのかと心配していたのですが、杞憂だったようですね。
ということは、ソルダードトーンホールはプラチナコーティングに比べると音色パレットの豊富さが売りということになりますね。それは大変魅力的ですが、しかし私はどちらかというと民族楽器のような素朴な音色が好み。正直ソルダードの音色はピンとこなかったのです。おそらく、プラチナコーティングのせいで倍音が少なくなりよりクリアになった音の方が自分に合っているのでしょうね。楽器選びは間違えていなかったということか。
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