ノースウィンドアンサンブル

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東京遠征報告・・・ラモ・サウンド編

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詩音

(2011年9月30日 21:28) | | コメント(0) | トラックバック(0)

散髪に行きたい。詩音です。

さて、東京遠征最大の目的であるゴールウェイのリサイタルを無事拝聴し、一夜明けました。
せっかく東京に出てきたので、すぐに帰るのはもったいない。
という訳で帰りの新幹線は遅くできるギリギリの時間の便を予約し、東京観光です。
観光と言っても、一般的な観光地巡りではなく、楽器屋巡りですが(笑)

まず向かったのは銀座のラモ・サウンドさんです。

ラモ・サウンドさんはフルートの専門店です。
特に、マテキフルート関東地区総代理店である所がポイントです。

マテキフルートは国内のフルートメーカーなのですが、大量生産をせず丁寧に一つずつ楽器を作っているメーカーで、その数も少なく流通はほとんどありません。
どちらかというと、出来合のものを買うと言うより、発注して作ってもらうような楽器メーカーだと思います。

手間暇かけて作られて、なおかつ数も少ないとなると、楽器大好きの私としては、心ときめかない訳にはいきません。
それに、以前ぼろぼろの中古、なおかつ普及モデルですが、マテキフルートを一本吹いてその音に魅力を感じています。
東京に出ることがあれば、ぜひラモ・サウンドさんに寄ってマテキフルートを吹いてみなければと思っていたのです。

ラモ・サウンドさんは、雑居ビルのワンフロアにお店を構えていらっしゃいました。
小さなカウンターショーケースにYAMAHAやサンキョウの比較的安いモデルが3本くらい置いてあって、あとはマテキフルートの普及モデルと頭部管が並べてある、店と言うよりはマテキフルートの窓口みたいな感じでした。

事前に試奏の予約を入れていたのですが、それでも用意してもらえたのは2本だけ。
近々ある大きな展示会のために楽器がとられているらしく、これでも無理をして用意していただけたらしいです。感謝です。

一本は、総Ag943製、頭部管が巻き管というモデルです。
もう一本は、同じく総Ag943製ですが金メッキがしてあるモデル。

マテキフルートは持った感じすごく細く感じます。
フルートは管の内径が19mmと決まっていますので、管の太さは他のメーカーの楽器と大差ないはずです。
店員さんによると、キーメカニズムを支えるポストが低く作ってあるために細く感じるのだそうです
私の手にはすごく持ちやすく感じました。キー操作もしやすいです。

吹奏感も非常に自然。普段の吹き方で楽に鳴りました。
音色も、締まったまとまりのある音で、なおかつしっとり。ほどよく輝きも含んでいます。好みの傾向ですね。

でも、私はやっぱり金メッキしてあるモデルの音色はちょっと合わない感じがしました。
私が金を吹くと音が輝かないので(汗)
メッキでもしっかりそれは表れてきます。
ちなみに、サザンクロスさんは案の定金メッキタイプの方がお気に召したようです。

他にお客さんもいらっしゃらず、私達が遠方から来たことをお知りになると、店員さんはせっかくだから頭部管を色々試して下さいと、マテキフルートのほぼ全ての頭部管を出して下さいました。

店員さん「今は楽器はどこのメーカーをお使いですか?」
詩音「ムラマツです」
店員さん「では、今付けてある標準のイチョウタイプが一番吹きやすいでしょうね。このカエデタイプに変えると、ちょっと吹きにくくなるかもしれません」

と、まずカエデタイプに付け替えて下さいました。
カタログで予習していましたので、これらの頭部管の特徴はある程度記憶していました。
カエデタイプは、特に中・高音域でのしなやかでのびのある多彩な音色感が特徴と書いてあり、謳い文句に一番魅力を感じた頭部管です。

吹いてみると、確かにイチョウタイプと違って吹きにくいと感じました。
息を当てるポイントが狭いようです。

店員さんに「確かに、ポイントが狭い感じがします」というと、「仰るとおりです。イチョウより息を当てるポイントは狭いです。逆に、ポイントを掴んでしまえば息を絞りやすいのですが、違うメーカーから乗り換えられるとポイントが掴めないまま手放されることも多いようですね」との返事がありました。
おお、正解!これって私の奏法が間違っていないっていう証拠ですよね?よね?
ちゃんとレッスンなどを受けたことが無いので、未だに自分の奏法に完全には自信がないのです。こういう時に確認して、密かに勝手に安心してみたりしています(笑)

さて、息を当てるポイントを掴めば良いだけなら話は早い。探すだけです。
ちょっと探るだけで、ポイントを発見。いつもよりほんのちょっと内側に向けるだけでOKでした。
おお!?芯は引き締まっているけど柔らかい響きの、すごく良い感じの音色が出せますよ!?

「これ、良いですね!」って店員さんに伝えると、店員さんは『おや、めずらしい』みたいな反応。聞けば、カエデタイプの頭部管はあまり売れないそうです。

次はBタイプ。
って、こんなのカタログにはなかったですよ?
これはイチョウタイプとカエデタイプの中間的な作りをしている頭部管ということです。
なぜ他は植物の名前なのにこれだけBタイプ?と考えていたら、サザンクロスさんが見事にBetweenのBであることを言い当てられました。気付かなかった(汗)
イチョウとカエデのいいとこ取りらしいですが、正直ピンと来ませんでした。
これならカエデの方がいいな。

次はナンテンタイプ。
ライザーが低く、リッププレートがほぼ真円なのが特徴とか。
ライザーが低いというのは、古いフレンチの楽器がそういう作りになっていることが多いと何かで読んだことがあります。ヴォリュームはあまり期待できないけど、音色の変化を付けやすいとか。
吹いてみると、私にとってはイチョウより吹きやすい頭部管でした。全音域に渡って発音しやすく、コントロールもしやすい。
でも、音色感が私の中ではカエデに勝てず。

最後にGタイプ。って、これもカタログに無かったので予備知識無し(汗)
これは最近新たに作られた頭部管で、GタイプのGはGermanのG、ドイツ向けの製品らしいです。
吹いた感想は・・・、あれ?特に印象に残っていることがないので思い出せません(笑)

クローバータイプの頭部管がなかったのが残念。店員さんの説明によるとカエデタイプの歌口のカットを無くしたものらしいです。
ただでさえ吹きにくいからとあまり売れないカエデのカットを無くしたことにより、息が当たりにくいは抵抗は強いはで、使う人はまずいないのでほとんど作られないそうです。
カエデが気に入った私としては、クローバーも試してみたかった・・・。
カットが無いということは、私の想像が正しければ私にどんぴしゃの頭部管である可能性もありますので。吹奏楽では使えないかもしれませんが(汗)

店員さんが「銀の楽器がお好きで、カエデタイプがお気に召したのでしたら、まさにあなたにうってつけの頭部管がありますよ」と、リッププレートとライザーだけが金のカエデタイプを出してきて下さいました。
マテキフルートの創始者である前社長さんが自ら削り上げた一品というその頭部管は、確かに素晴らしいの一言でした。
リッププレートとライザーが金であることによって息を入れてから音が出るまでの反応がすごく早く、でも音色は私好みの銀の音色がします。
いままでもリップが金の楽器を吹いたことはあるのですが、正直何がいいのか良くわかりませんでした。
しかし、この頭部管は確かに金と銀のいいとこ取りです。ポチさんも吹いて絶賛していました。

マテキフルート、作りが丁寧なので外観も大変美しく、所有できたら本当に幸せになれそうな予感がする楽器です。
今のところ予定はありませんが、もし今後私が楽器を新調することがあれば、マテキフルート総Ag943製の巻き管、頭部管はカエデタイプが有力候補になることは間違いありません。

30分程度でお暇する予定でしたが、親切な店員さんの計らいで1時間くらい楽しませていただきました。
また来たくなる、素敵なお店でした。

次は、憧れの銀座山野楽器に向かいます。
ついに、あのハプニングが起こります。
続く

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