私が都会に出て、おとなしくリサイタルだけ聴いて帰ってくるわけないですね。詩音です。
というわけで、昨日の大阪遠征でもやっぱり楽器店を冷やかしてきました。
日帰りであまり余裕がなかったので、残念ですが一件だけ。
以前から気になっていたドルチェ楽器さんに行ってきました。
ワンフロアがあまり大きくないビルに入っているせいで、複数階に売り場が散らばっているので、目的の木管楽器売り場が何階なのか分からず、ちょっと迷いました。
木管楽器売り場の階は、半分がフルートで、もう半分がその他木管楽器(サックスは除く。サックスはなぜか金管楽器フロアにあるらしかったです)でした。
やっぱりフルート人口は多いのですね。
国内の主要メーカーのだいたい気になるモデルはあらかた吹いたことがあるのですが、フルートマスターズの楽器をまだ吹いたことがないので、この機会に試奏させていただきます。
フルートマスターズさんには、いつも楽器の調整はお願いしているのですが、作っていらっしゃる楽器はなかなか触れる機会がないので。
昨日は1本しか在庫がなかったようなので、それを出してもらいました。
さらっと上から下まで音を出してみましたが、なるほど、鳴らしやすい。評判が良いのも頷けます。
楽器を観察してみるとAg970の刻印が。しかも、頭部管のジョイント部分にリングが。
「Ag970なんですね。しかも頭部管のここにリングがあるということは、これは巻き管ですか?」と、対応してくれていた店員さんに尋ねると、「そうです。よくご存じですね」と驚かれました。
そうか、私と巻き管は相性は悪くないのかもしれない。
アルタスのALといい、先日のマテキといい、今まで巻き管でこれは好みじゃないなという楽器には当たったことがないです。
作りが丁寧だから外れがないだけかもしれませんけど(汗)
アルタスのALが明るい音色だったのに対し、マスターズの巻き管はしっとりと落ち着いた傾向の音色でした。これは銀の純度も影響しているかも?
次は今日の一番の目的、GUOのニュー・ボイス・フルートです。
台湾の制作者が作られている、樹脂製の楽器です。
同じく樹脂で出来たニュー・ボイス・ピッコロは受注生産みたいなことがホームページに書いてあったような気がしたのですが、普通に在庫がありました。
フルートはおいといて、このピッコロを試奏することに。
以前にもこの新素材樹脂、グラナディッテで出来たピッコロは吹いたことがあります。
パールのピッコロです。
あのパールのピッコロは木製かと思うほどずっしり重みがありましたが、このニュー・ボイス・ピッコロは驚くほど軽い。
キーアクションも軽くて、持った感じは本当におもちゃのようです。
しかも、吹いてみるとあっさりオーバーブローしてしまいそうなほど吹奏感も軽い。
しかし、音は普通にピッコロの音がします。すごく不思議な感覚です。
ちょっと慣れが必要でしたが、コツを掴めば外観からは想像できないほどいい音がします。
これなら合奏で使っても問題ないでしょうね。
店員さんからも「良く鳴ってますよ」との評価をいただきました。
商人の町大阪だし、鳴ってるなんてセールストークじゃないの?とお思いの向きもあるでしょうが、セールストークではないと思います。
マスターズの楽器の素性を言い当てたり、ニュー・ボイス・ピッコロをN響の菅原潤さんがお使いのことを知っていたりと、それなりに知識があることはアピールしていましたし、なにより、少なくとも私の対応をしてくださった店員さんは銀座山野楽器と同様、最初から試奏大歓迎ですとイヤな顔一つせず楽器を出してくださいましたし、誠実な対応をしてくださいましたので。
ここも本当にいいお店でした。
それなりに楽器を鳴らすし、知識も割と持っているので、ちゃんとそれなりのレッスンを受けているものと思われてしまったようで、習っているのかどうかの確認を飛ばしていきなり「どなたに習っていらっしゃるんですか?」と訊かれました。
「習ったことはありません。ほぼ独学です。住んでいるのが近くにフルートのレッスンをしてくれる音楽教室や先生がいない田舎なので・・・」と答えると大変驚かれました。
試奏しているときに時々、今回みたいにちゃんとレッスンを受けている人だとか、ひどいときはプロと間違えられたこともありますが、そんな技術があるように見えるのでしょうか?
私の周囲には私より上手い人がごろごろいらっしゃるので、別にそんなに飛び抜けて目立つ存在ではないと思うのですが・・・。
毎回、嬉しいような、そうでないような、ちょっと複雑な気分になります。
しかし、今回対応してくださった店員さんは、私と楽器の趣味も合うようで、なかなか楽しい時間を過ごさせてもらいました。
私がメインで使っている楽器を伝えると、「その楽器は○○なところが良いですよね」と、まさに私がその楽器に感じている魅力と同じ事をおっしゃいました。
おかげで試奏する楽器についての話も信頼して聞くことが出来ました。
また遊びに行きたいですね。
訂正
ニュー・ボイスシリーズはグラナディッテではなく、プラスチック製でした。
GUOのグラナディッテはニュー・ボイスシリーズではなくプロフェッショナルシリーズとしてラインナップされているようです。
勉強不足でした。