どうしても、もう一度ゴールウェイの音を生で聴きたくて大阪に行ってきました。詩音です。
今日は今回のゴールウェイ日本ツアーの最後の日程、大阪のシンフォニーホールでのリサイタルでした。
自宅から自家用車で駅に移動する時間より、新幹線に乗っている時間の方が短いんですよね。
大阪は意外に近い。
大阪に出るのは何年ぶりでしょうか?
久し振りに降り立ってみると、駅周辺の様子が変わっていて戸惑いました。
ただでさえ、どうも大阪とは肌が合わないというか、なじめないというか、苦手なのです(汗)
そのせいかどうか知りませんが、間違えて快速に乗って目的駅に降りられないとか、ちょっとヒヤッとするトラブルがいくつかありました。
色々ありましたが、何とか開場時間にはシンフォニーホールに辿り着きます。
今回も東京の時同様iPadが大活躍です。これがなかったら一人で大阪を歩く自信はないですね(汗)
なぜか開場13:00で、開演が14:00からと、開場から開演まで1時間もあります。
今日の新幹線での移動時間と同じです(笑)
シンフォニーホールは、1700人くらいのキャパを持った、思ったより大きくて立派なホールでした。
昔大阪に住んでいた人にシンフォニーホールの所在地を伝えた時、あの辺に大きなホールはないからそんなにホールには期待しない方が良いと言われたのですが?
急に思い立ってチケットを手配したのですが、その割には、ちょっと色々あってかなり良い席です。
1階の最前列から6列目。しかも演者のほぼ真ん前です。
私の弱い視力でも、ちょっと目をこらせばゴールウェイの運指が見えるくらいです。
プログラムは前回と同じです。
2週間前は初めてゴールウェイ卿のお姿を拝見するという事で舞い上がったりしていましたが、今回でお会いするのは3度目(笑)
最初から落ち着いてじっくり演奏に耳を傾けることができました。
・・・何回聴いても良いですねぇ・・・。
透き通ってきらきら輝きを纏った柔らかい高音、そして太く心地よく響く低音。
全ての音が無理なく鳴り、響きが自由に解き放たれていく感じは、生で聴かないと味わえません。
特に曲の最後、音が空間に溶けて消えていく様はまさに絶品です。思わずため息が出てしまいますね。
以前、パユの演奏を聴いたときに、その無音から出て無音に消えていくダイナミクスに驚嘆したと書きましたが、それとは違います。
極限まで音が小さくなって消えていくのですが、小さくなって消えるのではなく、本当にふわっと響きが空中に溶けていくのです。
今回は最初にステージに登場されたとき、フルートを2本持っていらっしゃいました。
あれ?東京の時は1本だったよな?
そのうち1本はピアノの上に置いて、当然ですが1本を吹かれました。
何のためにもう1本持って出られたのかなと思ったら、もう1本は奥さんとの共演の時に持ち替えて使っていらっしゃるようでした。
なぜ今回は2本?
アンコールは今回もダニーボーイ。相変わらず絶品です。
東京ではアンコールはダニーボーイ1曲でしたが、大阪では次にテディ・ベアのピクニックという曲を演奏されました。
私は知らなかったのですが、英語の有名なキッズソングなんですね。
「Today is.........」と、演奏前に何か、この曲を今日演奏する理由を話していらっしゃったのですが、聞き取れませんでした(汗)
それだけにとどまらず、次は奥さんと一緒にモーツァルトのトルコ行進曲も披露して下さいました。
スペシャルアレンジだそうです。
今日は3曲もアンコールで演奏してくださるとは大サービスだなと思っていたら、何ともう一回楽器を持ってゴールウェイがステージに登場されました。
まさかの4曲目です。
でも、さすがに4曲目は予定になかったのか、ステージ上でピアニストと「あの曲は楽譜なくても伴奏できる?」みたいな内容と私は想像しましたが(笑)、なにやらひそひそお話をされて、演奏開始。
曲はサンサーンスの白鳥です。
東京ではドップラーの「アンダンテとロンドop.25」を途中で止めてやり直されました。
札幌公演を聴きに行った人のブログによると、札幌では最後のカルメン幻想曲を途中でやり直されたそうです。
今回はプログラム上の曲をやり直されるハプニングはありませんでしたが、このアンコール4曲目に面白いハプニングが。
白鳥のメロディーの最初、ラーラーラーラーラーラーラーーーララーー(分かります?)の後、低い音から駆け上がるフレーズが続きますが、そのかけ上がりの最初の発音をミスされました。
おや?と思ったら、ゴールウェイは楽器を口から離し、いぶかげに楽器をじっと見て、ピアノ伴奏を手で制されました。
そして、一言。
楽器を指して「This is wife's!」
会場からはどっと笑いが巻き起こりました。
おどけた仕草でステージ袖に戻られ、自分の楽器を持って戻ってこられましたが、あれは演出だったのか、それとも本気で間違われたのか?
とにかく、今回はゴールウェイのお茶目な部分も堪能させてもらいました(笑)
終演後、サイン会です。
今度はピッコロのケースにサインをいただきました。
私がピッコロケースをお渡しすると、ピッコロケースにサインをお願いする人間は珍しいのかちょっと驚かれた様子で、「Oh! piccolo player?」とおっしゃいました。
Yesと答えると(実際、最近はほぼピッコロ専業なので嘘ではないです)、サインをしながら「Not easy」とおっしゃいました。
前回は余裕がなかったですが、今回は握手をしてもらって、しっかり目を見て「Thank you」と言えました。
その演奏を聴けば聴くほど、ますます好きになります。
生で聴ける機会があって本当に良かった。
これで、今後CDを聴くとき生の響きを脳内補完できますし(笑)
この響きを目標にして、また練習に励みます。
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